インタビュー第2回・IHI副社長 昼間祐治さん<3>

昼間祐治さん(62)
露文卒業生。世界をリードする重工業メーカー「株式会社IHI」で
「副社長執行役員営業・グローバル戦略本部長、副社長」を勤める。
今回のインタビューではご自身のご経験談を交えつつ、
学生達に向けてのメッセージを語って頂きました。




■ロシアというニッチを突き詰めるとプロフェッショナルになれる

—-露文専修を選ぶか迷っている学生へ向けてメッセージを頂けますか?
ロシアをひとつのツールだと思うといいでしょう。世界経済における資源大国としてのロシアというのは経済の面から重要です。政経や商学部で経済からカルチャーを学ぶチャンスはないけど、(露文で)カルチャーを学ぶことによって経済への影響とか、どう社会を形成していったかを学ぶことができます。看板だけを目安にしてはいけないと思います。

ですから、専修に入って、自分が何を学びたいのか、ここに入って何ができるのか考えたほうがいい。ロシア語だからロシア文学だけという単純な構造じゃなくて、ロシアにちょっと興味があるけど経済にも興味があるな、あるいは法学に興味があるなというと法学とロシアを混ぜる。それで比較法学とかできますよね。ロシアをツールとして使っていくとといい。

—-なるほど

日本人は一般論ではロシアを好きではないでしょう。北方領土のことだけではなくていろいろ歴史的にあって。だからロシアを知りたがる人は多くないんです。しかし我々のようなポストになると知らないといけなくなる。一緒に仕事しなくてはいけないケースも出てくるんですから。アメリカの専門家は沢山います。会社の中にも沢山います。しかしロシアのことを知っている人は余りいません。

—-ロシアの第一人者になれるということですね。

専門性が高いと勘違いされてみんな聞きにくるようになるんです。期待に応えようとしてさらに勉強する。それが会社の仕事にうまく反映していきます。さらに他の会社と協業するような場合、他社に対してリーダーシップをとれることもできる。ニッチの世界ということになるかもしれませんが、ニッチを突き詰めるとプロフェッショナルになれるということです。


■実際ロシアはアメリカが好き。日本から見たアメリカとロシアの関係は屈折している。

—-ちなみに冷戦時代のアメリカとソ連どちらにもいらっしゃってギャップなどありましたか?

私はあまりありません。というのは大国と島国の考えは違うんです。冷戦時代のソ連人が一番好きな国はアメリカで、大好きだったと思います。アメリカ人はロシアのことを好きでないけど嫌いでもなかったんです。それとNY人口1000万人のうち300万人くらいはロシア系移民アメリカ人です。だから両方が大嫌いになる訳はないんです。

旧ソ連時代、お金の換わりにマルボロというアメリカの煙草が流通していましたからね。大国同士、嫌い合ってはいなかったと思います。政治体制と民族間の認識は必ずしもリンクしていない。違和感はありません。

—-私は卒業旅行でロシアに行きましたが、そういえば普通にアメリカ映画やっていましたね。

はい、普通ですね。日本から見たアメリカとロシアの関係のほうが屈折していますね。日本人はアメリカはロシアは大嫌いでいて欲しいと思っている。しかし、両国を見るとまったくそんなことはありません。むしろ日本人が変わっているのではないでしょうか。

—-日本人は先入観で見がちかもしれないですね。

日本人はね、やっぱり日本にこもっていると駄目ですね。商談などで外国に行ったことがない人がいると感性が全然違います。これから若い人が日本にこもり、世界を見る視点がなくなっていくことがあるとすると寂しいですね。


■重要なのは対話

人間なら皆有事に、ご両親とか先輩に背中を押してもらうことが必要になります。自分だけで生きてるわけじゃない。学生は幼児ではありませんが、社会人でいえばまだまだ幼いです。ですから、誰かが場を与えないといけませんね。学校が背中を押してあげなければいけません。

—-私もこのサイトを通じて学生と外との対話の場を提供できればと思っているんです。

ただこういう話は、書いたのを読むのと生で聞くのは全然違いますよね。臨場感が全然違う。言葉には強弱があるから、熱をおびたり静かに話したりとか。そこは聞くほうにも伝わります。こういう対話がないといけません。コミュニケーションというのは双方の時間を使わないといけないので難しいのですが、時間を費やす価値はあります。

社会の人は皆キャラクターが違います。同じ質問をしても回答は皆異なります。そこから取捨選択するのが大事になってきます。自分たちが目指す方向を決めていくためにも。書き物とかウェブ上だけでは全然だめですね。もちろん最小限の情報としては大事です。でも人の顔を見ながらやらないと本当に理解しあうのは難しいですね。

—-しかし現状では学生が先輩の話を聞く機会はなかなか難しいですね。

そうなんですか?私を含め多くの人は、皆学生に伝えたいと思っていると思います。しかし、自分からやりますというほど暇じゃないですから、言ってもらえればぜひ話したいという気になる。
大学に行って1時間話すとなると移動や何かで2時間半くらかかります。2時間を見つけ出すのはなかなか難しいのです。

しかし学生の為を思って学校側が真剣であるなら、喜んでおうかがいしたいと思います。その他は、どういう視点でカリキュラム組むかという問題があると思います。

—-何か対話をするイベントをしましょうという話を先生にもしているんです。その集客ツールとしてもサイト運営をはじめたんです。

文学部の中でそういうカリキュラムを組んだとすると、各界から「申し訳ないけど、お金は払えないけど、若い人たちのために話してあげて欲しい」と頼まれれば応える人は多いと思います。露文で、面白いこと始めたなと他の学部からも聞きに来てくれるようになるとといいですね。

さらには他の大学の人も来てくれるようになったらもっと楽しくなるでしょう。やはり努力が必要ということでしょうか、結論から言うと。先日、立教のセミナーに参加しましたが早稲田からも先生が来ていました。慶応からも。様々な大学から来られてました。

世界は広い!世界のことを知りたい!それが勉学の第一歩だという気がします。(笑)

—-ええ、本当に。大変勉強になりました。今日はありがとうございました!

<了>

インタビュワー DONGURI INCミナベトモミ

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