ウラジオストク留学体験記(2014年秋~)

ウラジオストクから留学体験記が届きました! 2014年秋から留学している山岡諒子さんです。交換留学と、現地での授業に関する具体的な情報やアドヴァイスもありますので、関心のある方はぜひご覧ください。

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みなさんこんにちは

現在、交換留学生EX(TSA)としてウラジオストクの極東連邦大学(ДВФУ)で学んでいます。露文3年の山岡諒子です。昨年8月末に日本から飛行機で約2時間のところにあるウラジオストクへ来て8か月目に入りました。

ウラジオストクはご存知の方も多いかもしれませんが、決して大きな街ではありません。走っている自動車はよく見知った日本製が8、9割で、トラックなど、日本語表記そのままに輸入された中古車が溢れているため、時々、その車と人のコントラストに街中で微笑んでしまうこともあります。早稲田大学からは短期留学(約1か月)を利用し、多くの学生が、ここウラジオストクを訪れています。10か月以上居るわたしがいうのもなんですが、初めてロシアを訪れる人にとって、ウラジオストクは日本からも近く住みやすい街なので、私費で3か月、長期休みを使って1,2か月勉強しに来るというのも留学費用が安いという点でおすすめです。日本海が隣にある静かな街で、冬は凍ってしまう海と共に、落ち着いてロシア語に集中できるという環境が、私は気に入っています。治安も普通に暮らしている分には問題ありません。今年は根っからのウラジオストク民も驚くほど冬が厳しかった(-20~30℃)けれど、冬を乗り越え、また一歩ロシア人に近づきました。

山岡①

留学のすすめ

これを読んでいる人のなかには、ロシア語を学び始めたばかりという人もいるかもしれません。私が大学1年生だった当時の話をすると、少し留学には興味があったものの、1年の秋といっても、まだ文法も一通り終わっておらず、ロシア語の資格も何も持っておらず、院生や3,4年生が主な交換留学は諦めようとしていました。(4年で大学を卒業することを前提にしていたので、私費留学の選択はありませんでした。)しかし、偶然その年からДВФУへの募集が始まったため、迷わず第一希望で書いたところ叶ったというわけです。(1年生で交換留学に興味を持っている人のため念のために書いておくと、2年生の夏から留学をしたいと思うと、1年の秋には早稲田大学に留学の希望を出さないといけません。留学センターの募集は毎年ちょこちょこ変わっているので、注意深く情報を見てください。) 「留学に行く、行かない」というのは多くの学生がいろいろなものと天秤にかけながら迷い決心していることの1つだと思います。私もその一人でした。「2年生じゃ、まだ留学は無理かな?」と思っている人がもし居れば、わたしは色々経験したうえで、あえて2年生でロシアに行ってみることをオススメします。ここは、ロシアでロシア語を始める人がとても多いので、コツコツやっているような学生は心配しなくてもよいですし、ロシア語の文法や会話を日本でやっているときいつも「なぜ?なぜ?」状態だったのが数か月で大分解消されています。(1年しっかりやれば、耳もだいぶ慣れます。)また、社会人で仕事のためにロシア語を学びに来たという人もとても多いので、ビジネスをやっている方の話を聞く機会もありました。

 

山岡②

 

ロシア生活

「дежурная(日替わりの寮母さん)」や大学のオフィスの人とたまに話しておいたからか、新しい日本人が来るたび(来た時はほとんどの人が上手く話せないので)、なにかトラブルが起こった時など、通訳のような形で呼び出されていました。ロシア語を話す機会が増えるだけでなく、手伝うこともできるというまさに一石二鳥なのです!(警察署で困っている日本人を助ける機会もありました。)日本人コミュニティーはありますが、留学中は無理のない人間関係を作っていくことも大切です。ロシア人との関係においても同じことが言えます。一人で街をブラブラしているときの方がロシア人に話しかけられることが多かったりしますし、私の場合はボランティアをやってみたり、気の合うロシア人たちを部屋に招いてパーティをやってみたり・・・日本でいるときに比べると明らかに自由な時間が多いので、自分に合った、うまくバランスの取れた生活ができると最高です。(私は年末年始モスクワとペテルブルグで過ごしました。)他の方の留学体験記にあるような不便なことや、びっくり体験、失敗なんかも「あとで面白話になる!」くらいの気概でちょうど良いと思います。
山岡②

 

ロシア人の好きなところ
個人的には、書いた文章を添削してもらう際、先生が「間違っている」ではなく、「не красиво(きれいじゃない)」と説明してくれるところです。外国人にとってロシア語の難しいところは、同じ意味を表すにしても、何通りもの表現が可能なところですが、同じ表現をずっと使っているときに、意味は通じるけど、「не красиво(きれいじゃない)」と言われるのです。「綺麗さ」にポイントを置くところがロシアらしいのかなと思ったりもします。また、語学を学ぶということは、その数種類を自由に使うことができることだとも教えられました。

ロシアにもたくさんの”Пословица”(諺)や”поговорки”(慣用句)があり、何かにつけて耳にする機会があります(私が料理に失敗したときには”Первый блин комом”(初めて何かをするときは失敗するものだ)と言われました)が、それらからもロシアが見えてくるかもしれませんね。また、ロシア人が好きな”Шутка”(シュートカ・冗談)は日々増えているらしく、「何かあったらすぐ”шутка”にしちゃうのよ」と言っていたのも、なるほど、外見と日本人特有のイメージでロシア人=笑わないと思いがちだけれど、「僕らはとても笑うのが好きなんだ」という友達の言うとおりです。

山岡④

 

山岡⑤小

授業について
授業は週5日、10コマ、クラス(6-12人構成)によって授業数、授業内容もまちまちですが、日本でロシア語をやってきたような人が入るクラスであれば、文法、会話のほかに、クラスによって、週一回、ビデオ、読解・手紙、イントネーション、文化というのがあります。授業には途中から放り込まれるため、自主学習が必要ですが、頑張り次第でどんどん上のクラスに変更できます。ここは、留学生が入れ代わり立ち代わり入ってくるので、年末年始以外長期休み(2週間弱)はありません。そのため自分で休暇を申請し、日本に帰ったり、ロシア国内の旅行に行ったりする人がほとんどです。授業以外に、先生にお願いすれば個人授業もやってくれます。ここでТРКИ(テルキ)の対策をやる人、授業についていくために抜けているところを補う人等様々です。ТРКИ-1を持っていれば、正規の授業を受けることは制度上可能ですが、日本での1年ちょっとの学習で正規の科目を取るのはだいぶきついと思います。また学部生は2年生まで体育が必修、また第2外国語(私たちにとっての第3外国語)の履修が必須の場合があるので、事前のリサーチも大切です。

とはいえ、語学学校に通っているだけでは、ロシア人のように話せるようにはなりません。友達は「ロシアに学びに来ているのだから、色々なロシア人と毎日話さなくちゃだめ!」と自ら私の話し相手を買って出てくれます。少しでもロシア語の言い回しを“話せる”ように毎日特訓中です。特にинтонация(声の抑揚・調子)が重要なロシア語では、жест(ジェスチャー)や мимика(顔の表情)も真似しながら、感情込みで独特の言い回しや意味を覚えていくとよいかもしれません。また、ロシア語を話すときはロシア語の考え方をしなければいけないような気がします。というのも、日本語で考えたことをロシア語に訳して話そうとすると、割と表現がずれてくるからです。んー、翻訳はとても難しいことだと感じています。
(写真はпасхаの時のもので、皆で食べたкулич(復活祭の日に食べるパン)が真ん中に)

 

山岡⑥

 

最後に
何でも揃う東京生活を捨て(捨ててないけど)決して便利ではないロシアの生活を選んだからには、自分にとって意味のあるものを、留学を経験した人それぞれがきっと見つけているはずです。この10か月間は自分の目標とするものへと近づいていくためのとてもよい機会だと、振り返って思います。日本語でほとんどの分野を学ぶことが可能というのは、とても恵まれていることです。それでも、世界に出ていくこと(留学)で、我々は打ちのめされ、そしてそれは、社会に目を向ける、周りと、人と、世界を意識する絶好の機会なのです。最近では、「(ウラジオストクに限らず)ロシアにはビジネスチャンスが!」と言っている人が多いですよね。自分で判断することが求められるなかで、(日本人とは違う)ロシア人はどのように働いているか、どういう生活を送っているか、一方外国人はどういう扱いか、留学を通して肌で感じることができたのもとても良い経験です。

留学中、たいがいのことは上手く行きますが、どうしても困ったときは、先生や先輩、周りのロシア人が助けてくれます。私費、交換留学に関わらず、手続きや勉強、その他の活動等、何でも自分でやってみてください。自分でやったことは、自信につながっていきます。
今回いただいた留学というチャンスをこれからの人生で活かせるように、帰国までの残り3か月間、すでに過ごしてきた7か月間同様、周りの方々に感謝し、自分にできることを毎日確実にこなしていきたいと思います。貴重な10ヵ月の経験によって、日本に帰ってからの大学の講義の理解も深まるはずだと信じています。少しでもロシアに行ってみたいという思いがある人は、ぜひ一度訪れてみてください。”Лучше один раз увидеть, чем сто раз услышать”(百聞は一見に如かず)です。そこには想像もしなかった世界が広がっているかもしれません。

 

山岡⑦

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