神保町「ろしあ亭」

こんにちは、露文の高柳です。
今年は寒い冬となりました。
モスクワは雨なのに、東京は大雪・・・という日も。
そんな中、卒論を書き終えた学生たちが、取材に出かけてくれました。
そしてなぜか、私も誘われて、同行いたしました。
今回のメンバーは、菊地さん、笹川さん、篠崎さん、末岡さん+高柳です。
記事は学生たち4名が分担して執筆してくれました。
それでは、ろしあ亭さんの温かくて美味しいお料理をどうぞ。

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「ろしあ亭」は本の街・神保町にあります。東京メトロ神保町駅のA7出口から徒歩2分。
すずらん商店街のアーチをくぐり、神田南神保町郵便局を通り過ぎると、青地に黄色い文字で書かれた「ろしあ亭」の文字が右手に見えます。


実は、我々がろしあ亭を訪れるのは2回目なのです。前回は華の金曜日に予約無しで突撃したのですが、残念ながら満席で入店出来ず…。今回はしっかり予約を取って再度トライしたという次第です。来られてよかったろしあ亭!
お店は細長い間取りの
2階建てで、煉瓦を基調とした温かみのある雰囲気です。入口の右手にある飾棚に置かれたワニのゲーナやチェブラーシカのぬいぐるみ、マトリョーシカがお出迎えしてくれました。
今回私たちが注文したのはアンナ・コース(
4200円)とニーナ・コース(3500円)。いずれもロシアの女性の名前がついたコースですが、メイン以外は同じメニューになっています。
では、早速お料理の紹介へ…!

まずは前菜。


紅鮭のマリネ、サワークリーム、野菜をロシア風クレープで包んだ一品です。
クレープは薄いのにもちもちと、今まで味わったことのない触感がくせになりそうです。
さらに、お皿の上にはニシンの塩漬けが!味付けはシンプルなのですが、美味しい。
この前菜を目にしたとき、味の個性が強い食材の組み合わせのため、それぞれを別々に食べた方が美味しくいただけるのではと思いました。
しかし、一つひとつの食材の味がクレープに巻かれることで見事に融合し、実にあっさりと食べられる一品です。

ワインも注文してみました。


グルジアワインの「ムクザニ」です。グルジアワインは独特の甘みがあることで知られていますが、このムクザニはグルジア産の辛口赤ワインの最高峰と言われているそうです。
コースの最初の方で注文したのですが、メインのお肉料理に辿り着く前に、すべて飲み干してしまう程の美味しさでした。
味は辛口とのことですが、フルーツの甘みがしっかりと楽しめ、比較的飲みやすいと思います。
ワインが苦手で普段、赤より飲みやすい白を選んでいる方に、ムクザニお勧めです!

次に出てきたのはグリビー・ヴ・スメターニェ(壺焼きマッシュルームのクリーム煮)。小さな壷には、表面はパリッ、中はもっちりのパイが被せられています。


きめ細かく何層にも重なっている蓋のパイ生地を、スプーンでさくっと割ってみると

チーズのコクが詰まった、マッシュルームたっぷりのクリームシチューが顔をのぞかせます。お味はもちろんのこと、見た目の可愛らしさとパイを割るワクワク感に、心も満たされる一品です。
クリーム煮のこっくりとした味を堪能した後は、ロシア料理の定番、家庭の味と言われるボルシチです。


真っ赤なスープの中央に、白いサワークリームが乗せられています。この赤さはスープに入っているビーツ由来のものなのです。お味の方はビーツを初めとして、キャベツ、にんじん、タマネギなどが入っていることからヘルシーなお味かと思われるのですが、牛肉のおだしが効いていて、意外とこってりしています。このこってりが苦手な人は中央のサワークリームを崩して頂くと、味がさっぱりしますよ
それにしても、このスープの特徴は色味です。とても赤いのです。小学校時代に給食にボルシチが登場した方やホテルのバイキングなどで食べたという方もいると思いますが、そのスープの赤味はだいたいがトマト由来のものであるため、オレンジがかった赤色だったと思います。しかし、このスープの赤は上にも書きました通り、ビーツ由来のものであるため、
あまりオレンジがかっていないのです。そのため、どれだけスープを光にかざしてもオレンジ色の色味は見えず、皿の奥底まで鮮烈な赤さで満たされているのが見て取れます。また、サワークリームを崩すと、スープの赤味にサワークリームの白味が溶け込んで、赤味を強くしたオーロラ色になり、さらに綺麗な色になります。しかも、スープの透明度がよほど高いのかあまり濁らず、どんな状態になっても皿の底までその色味が楽しめるのです。
このスープはお味も大変よろしいのですが、
こんな風に目で見ても楽しめるものとなっています。古今東西、赤い色の飲み物はあると思うのですが、オレンジがかってない赤というものがどういうものなのかということを確かめるためだけに食べる、というのも価値があるのではないかと思います。
ボルシチの後、ビーツを使ったポテトサラダが出て参りました。このサラダはふつうのポテトサラダに角切りにしたビーツを混ぜ込んでいるため、ジャガイモの白い部分が薄桃色になっていました。お味の方はポテトサラダの中にポテトじゃない異物が、でも、歯ごたえがある、食感の楽しい異物が入っているものでした。あまりジャガイモが潰れていないポテトサラダともどことなく食感が違いました。また若干の辛子を利かせていたように思います。お口直し的な意味もあったのでしょう。


皿の横に添えられたレタスを目にするまでは、何かのデザートかと思ってしまったほどでした。


ロシアビールの定番・バルチカも。ノンアルコールの0番から9番まであり、番号によって味わいが少しずつ違います(モスクワでは3番、7番がメジャーです)。今回はややガツンとした味わいの「9番」を。
そしていよいよメインの肉料理に。まずはアンナ・コースから。

「ジャレナヤ・クリッツァ・ヴ・スメターニエ」は地鶏のローストにサワークリームのソースをかけたお料理です。

香ばしく焼けた鶏とほのかに酸味を感じるソースの相性が抜群でした。ロシア料理には欠かせない「スメタナ」はボルシチのお伴というイメージが強いですが、鶏肉料理にも合うのだという楽しい発見がありました。 一方ニーナ・コースのメインは「シャシリク・イズ・バラニーナ」、羊肉の串焼きです。シャシリクはもともと中央アジアの料理ですが、ロシアでもよく食べられています。


お皿に載ったお肉はさすがに串には刺さっていませんが、ちょっとスパイシーな焼き飯が脇に添えられて上品に並んでいます。ソースと絡めて口に入れてみると、お肉が柔らかいことに嬉しくなります。噛むと口の中にジュッとうまみが広がり、臭みもほとんどなくさっぱりといただけます。3切れあっという間に平らげてしまいました…。羊肉好きにはたまらない一品です!

メインを楽しんだ後は、デザートと紅茶でお口直しです。料理に満足しきっていたら、あろうことか写真をうっかり撮り忘れてしまいました…。デザートはほんのり甘いヨーグルトのムース(ミントがちょこんとのっていました)、紅茶はバラのジャムと共にいただくロシアン・ティ。食後の会話にも花が咲きますね。

かくして閉店ギリギリの時間までお店のアットホームな雰囲気を満喫し、我々は取材を終えました。
前菜からデザートに至るまで量良し味良し、値段もリーズナブル。ウェイターさんもチャーミングなロシア人の方(もちろん日本語で話します)なので、ロシア感も倍増(?)。気取らずにロシア料理とロシアの雰囲気を味わうのにうってつけのお店なのではないでしょうか。ちなみにランチは
1000円程度でいただけるそうなので、今度はそちらもぜひ試してみたいものです。

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女性5人で話に花も咲いて、とても楽しい夜となりました。
ワインの品ぞろえも素晴らしいお店です。

卒業前の良い思い出になればうれしいです。

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