ミンスク(ベラルーシ)留学レポート

露文教員の坂庭です。2012年秋よりベラルーシのミンスク大学に留学中の露文生、林愛子さんが留学レポートを送ってきてくれました。ミンスクはここ最近「ロシア語を学ぶ留学先」として注目されつつあるようで、早稲田からの第1陣とも言える林さんからの情報は貴重です。ミンスクならではのメリットもあるようですね。

派遣留学前例なし、少なすぎる現地情報、あまり高いとはいえない自分のロシア語力に不安を拭いきれないままベラルーシはミンスクに降り立って半年が過ぎました。なかなか日本にいると馴染みのない国かもしれませんが、留学して気付いたこと、大学についての情報などを書かせていただきます。

〈授業について〉

文学部の外国人留学生向けのロシア語の授業に参加しています。月曜から金曜まで毎日2~3コマずつで、発音や文法、購読などの授業を受けます。ロシアやベラルーシの文化がテーマの授業もあります。

授業は説明も含めすべてロシア語で進むので、最初のうちはとても苦労しましたが、先生の言うことがだんだん理解できるようになってくると楽しいです。

レベル分けテストなどはありませんでしたが、授業はわりと融通がきくらしく、レベルが合わなければ違うクラスを紹介してもらえます。

先生方はとても親切で、丁寧に教えてもらえます。先生に限って言えば、訛りなどはないと思いますし、教科書はロシア製です。

〈生活について〉

首都ミンスクは街がとてもきれいです。街の至る所にゴミ箱があり、道路清掃の人がたくさんいて、朝早くから掃除や雪かきをしてくれています。また、全体的に治安はとてもいいと思います。現地の人たちも誇りにしています。

近代的な大型ショッピングセンター、Wi-Fi完備のカフェがある一方で、住宅街を抜けると首都なのに森が広がっていたりします。

冬はやはり寒いです。気温もモスクワより少しは高いものの、かなり下がりますし、雪も吹雪もあります。3月現在の気温は-5℃くらいです。

こちらに来るまで一番心配していたのが買い物でしたが、スーパーやホームセンターもありますし、輸入品が多いですが衣類や日用品も普通に売っています。日常の買い物で困ることはほとんどありません。ちなみに、品物が手に取れない所謂「ソ連式」のお店はベラルーシにも存在します。

国産の食品は総じて安く、ベラルーシ人の主食、じゃがいもは日本円にして1kg20円~40円くらいで売っています。ただしスーパーでは何kgも大袋に入って売られているので(米と同じ扱いです!)なかなか持ち帰るのも消費するのも難しく、私は殆ど買いません…。

少々割高ですが、食堂やカフェ、レストランも至る所にあるので外食も可能です。何故かピザ屋さんが多いです。

住居は学校から徒歩15分ほどの寮です。3人部屋です。私の住んでいる寮は築10年ほどで綺麗です。インターネット環境が悪く接続にしばしば問題が起こる以外は快適です。

〈ベラルーシ語〉

ベラルーシ語がわからなくても正直日常生活で困ることはありません。会話は100%ロシア語です。しかし、公共施設の表示やメトロのアナウンス、広告などではベラルーシ語が使われていて、街ではよく見かけます。

ベラルーシ語の文法構造はロシア語とほぼ同じです。ウクライナ語やポーランド語にもよく似ているそうです。

私は11月の終わり頃から、本格的に週3コマのベラルーシ語の授業を受けはじめました。授業は基本的にベラルーシ語で進み、理解できないときにロシア語で解説してもらいます。

初めてベラルーシ語を聞いたときは濁点の多いロシア語、という印象だったのですが、いざ勉強してみると特有の表現のほかにも、ロシア語と同じ単語で性や意味が違うものがあったりとなかなか奥深く、今ではベラルーシ語がとても好きになりました。

私がベラルーシ語で気に入っているのが、月の名前です。ロシア語とは全く違っており(5月だけが同じです)、例えば3月は「花の蜜の月」、7月は「菩提樹の月」、11月なら「葉の落ちる月」のように、自然の移り変わりに沿った呼び名がついています。

〈ベラルーシ留学のすすめ〉

1、数字に強くなる(かもしれない)

数字がなかなか覚えられないそこのあなた。40あたりを越えるとなんとなくしどろもどろになってしまうそこのあなた(私がそうでした)。ベラルーシをおすすめします。

ベラルーシの通貨ベラルーシルーブル(以下BYR)は額面が非常に大きいです。硬貨はなく、最高額のお札は20万BYRです。スーパーで買い物をして何万何千BYR、というのは日常的です。買い物の際にレジの人の言うことを少し注意して聞いていると、いつの間にか大きな数字にも慣れる……かもしれません。

2、日本人が少ない

私がベラルーシへの留学を決めた理由のひとつでもあります。

日本人は私のいる寮に私1人しかいません。早稲田の交換留学枠は1人、ベラルーシ大学全体でも正規生、留学生全部で10人前後とたいへん少なく、授業で同じグループにならない限り、会うことは少ないです。

これをメリットととるかデメリットととるかは人によると思いますが、相手がロシア語ネイティブでなくても周囲とのコミュニケーションで必然的にロシア語を使うようになるので、私は語学にはもってこいの環境だと思っています。

3、人が優しい

つっけんどんな対応をされるのがロシア語圏の常、と思われがちですが、穏やかで親切な人が多いですよ。しっかり話せば、ちゃんと聞いてもらえます。

〈最後に〉

なんだか知ったようなことばかり書いてきましたが、最初はできないことばかりで、手続きで矢継ぎ早に出されるロシア語の指示はおろか、ちょっとした質問にも満足に答えられず、疲労やもどかしさで泣きたくなるのを堪えて各種窓口をあとにしたことも一度や二度ではありませんでした。

今ではだいぶロシア語に囲まれた生活にも慣れましたが、日々自分の至らなさを感じることのほうがまだまだ多いです。こちらに来る前も、来てからもたくさんの人にお世話になっていますし、ああ、あのときこう言えばよかったんだ、こうすればよかったんだ、と後で気付くこともしょっちゅうです。けれどその分言いたいことが伝えられたとき、自力でなにかができるようになったときの達成感はほんとうに大きいですし、なにより言葉を使って生活しているという手応えを感じられることが留学の醍醐味だと思います。

ベラルーシでの生活も半分が過ぎましたが、残された時間を最大限に利用して、さまざまなことを吸収し、もっとできることを増やせたらと思います。

 

 

 

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