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交錯するジャンル

 プーシキンの創作における傾向の一つに、ジャンルの混交が挙げられる。物語詩として通常扱われる『青銅の騎士』(1833)は、「前書き」と「原注」という散文テクストと、「序」と第一部・二部という韻文テクストの...

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1830年代の自然観

──チュッチェフのсумракを中心に──  今回の発表では、チュッチェフの詩において重要な意味を持つと思われるсумракという言葉について検証し、また他の詩人の作品と比較しつつ、この言葉に基づく一つの見地...

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文学者の戦中戦後責任

 大東亜戦争中に「詩歌翼賛運動」というものがありました。大政翼賛会宣伝部発行のB6判60頁ほどの仮綴、これが何巻も出されていて、1巻づつの初版が3万部です。扉には「この本をお読みになったら隣組やお友だちに回...

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ツルゲーネフの物語詩『対話』≪Разговор≫ (1845)

物語詩『対話』の主人公は、「老人」と「若者」の二人である。「老人」は世捨て人を装いながら、自らの人生に対する追憶を捨て去ることができず、岩屋の中でひとり苦悩の日々を過ごしている。一方、「若者」は人生の...

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リルケの『マリーナ悲歌』とツヴェターエヴァ

 『ドゥイノの悲歌』Duineser Elegien(1912-1922年)の作者で知られるライナー・マリア・リルケは、もうひとつの悲歌を書き残している。それは、マリーナ・ツヴェターエヴァへ宛てた書簡に添えられていた。リルケの死後約50年...

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カロリーナ・パヴロワの『鉱夫』をめぐって

 カロリーナ・パヴロワ(Каролина Карловина Павлова,1807-1893)のバラッド形式の作品『鉱夫(Рудокоп)』(1841)は、ある鉱山で実際に起きた落盤事故に着想を得て創作された。ドイツ・ロマン主義文学の世界...

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上田敏とアンドレーエフ

 上田敏は日本で初めてアンドレーエフ作品の翻訳を行った人物である。発表の早い順に挙げれば『芸苑』巻第1、第2(明治39年1月1日、2月1日発行)に連載された「旅行 Петькана」、『趣味』第2巻第5号(明治40年5月1日...